おおいしだものがたり　第百五話　「最上川舟運の話」　その19.破船の発生と事故処理2

近隣の村々から救援隊が駆けつけ、直ちに救援活動を行う。
同時に事故報告書を作成し、代官所に提出する。

• 村の農作業用の小船を用いて、濡れ米を陸揚げする。
• 被害米　皆濡れ米（232俵）、半濡れ米（28俵）、流失米（なし）

• 事故の実情、損害の実態をつぶさに調べる。
• 船頭や駒込村名主の報告の通り間違いないこと。
• 私欲にからんだ故意の事故でなかったこと。

• 事故を起こした船の船頭（清太郎）と水主3人
• 酒井左衛門尉領分羽州飽海郡酒田、拾艘屋内（船団）差配人と九人の船頭
• 鈴木喜左衛門尾花沢代官所、羽州村山郡駒込村の村方三役（名主九之助外）
• 大岡久之丞寒河江代官所、羽州村山郡寒河江附郡中総代楯北村名主太右衛門
• 現場に派遣された両代官所の手代

• 海谷村（名主庄四郎・組頭与十郎・百姓代七蔵）
• 川前村（名主孫兵衛・組頭作助・百姓代傳四郎）
• 深堀村（名主仁右衛門・組頭喜右衛門・百姓代長三郎）
• 大浦村（名主卯蔵・組頭弥兵衛・百姓代傳兵衛）
• 駒込村（名主九之助・組頭半四郎・百姓代仁右衛門）

• 半濡れ
  米払下分　28俵
  金　3両
  永　62文5分（1俵銭700文）
• 皆濡れ
  米払下分　232俵
  金　19両三分
  永　187文5分（1俵銭550文）
• 合計
  金　23両

駒込村

23両の3分の2（金15両1分余）松山藩左沢の出荷した村々へ
23両の3分の1（金7両2分余）は輸送請負船方へ

そして、最後に荷主である酒井松山藩主に対する弁償問題へと移っていく。

執筆者　小山　義雄氏