最上川船には酒田船と最上船(大石田や船町など内陸部の船)がある。その差配役は、漆山村の片桐善左衛門・同小暮七左衛門、成生村の奥山九郎兵衛、高擶村の村山治左衛門、寒河江村の井上金右衛門の五人と酒田から選ばれた代表で構成されていた。その内、横山河岸の担当差配役は以下である。
横山河岸設立当初の河岸役人
この当時、最上川を稼動していた※ひらた船は、上郷船98艘・清水船12艘・酒田船は300艘、計410艘であった。
大石田船は中継河岸を廃止されたことに抗議する意味合いから稼動船に加わらず、不協力な態度を示していた。
(『大石田町誌資料編』「横山・本楯・寺津河岸之事」)
船道安全の祈願を威徳山(横山村の熊野神社別当)に奉ずる。
願主は最上川船差配役の小暮七左衛門(漆山村)・奥山九郎兵衛(成生村)・斎藤伊右衛門(溝延村)の三名が船道の安全を祈願して、以下の祈願分を捧げ、誓約している。
祈願分の内容
(『北村山郡史上巻』所収 横山 宮川家文書)
この願状を出した三人のうち小暮七左衛門と奥山九郎兵衛は享保8年、新たに最上川船差配役に選ばれた人である。
横山河岸の発展を期待し、最上川船道の安全を祈願したもので、当時の最上川舟運に携わる人々の信仰心の深さを知ることができ興味深い。
執筆者 小山 義雄氏
※ひらたは舟編に帯
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