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おおいしだものがたり 第百四十七話 惣町(そうまち)大石田2

惣町大石田

2.火の用心

 「寄合記」によると、江戸時代の惣町戸数は300戸から340戸ほどである。戸数に比較して家の焼失数の多いのが目につく。

 惣町役人で最重要な仕事は出火と消火であった。そのため次のようなことがおこなわれた。

(1)取締請書作成

 内容は、火の用心・盗賊用心・その他惣町の人々の守るべき事項である。この請書が出来あがると、町中の人々を西光寺に集合させ、請書を読み聞かせる。人々は承知しましたとの証として氏名・捺印をするのである。

(2)役付請書

 役付請書とは、消火にあたる職人の活動分担を承知したというものである。当時、町の職人は、出火の場合消火活動をする義務があった。職人は、次の消火道具を持ち消火活動をした。現在の消防員である。

 以上の仕事をすることによって職人として仕事のできる権利と、その証明として鑑札が与えられたのである。この場合も西光寺に集まって請書を提出している。

(3)夜回り

 雪消えとともに夜回りが始まる。本町高野平四郎宅を中心にして、上流を上組、下流を下組と二つの組にわかれる。それぞれの組ごとに自身番と拍子木番とがおかれ、自身番は三人一組であり番帳・行灯・鳴子板を備えておく。自身番は、一晩通しての勤務である。拍子木番は両組とも15人ずつおり一人で順番に回る。回る時大札一枚、小札二枚持ち、拍子木を打ちながら回る。回った証拠として、大札は自身番所に納め、小札二枚のうち一枚は中央の平四郎の蔀穴へ、もう一枚は組のはずれの家の蔀穴へ入れる。上組は新町の伊之助の蔀、下組は四日町六兵衛蔀へ入れる。1番が終わると2番へ拍子木を届け、1番の仕事は終わる。このようにして15番まで回ると終了となる。自身番所では用心行灯をともし、夜中無行灯で通るあやしい者は通さないこととした。また拍子木6番と10番が終わると上下組とも鳴子板を打ちならし、上・下組の調整をしたようである。もし火事があった場合は、ただちに町役人にとどけることとした。ほかに鉄棒引きという者がおり、惣町から賃銭を与えられ雇われている者もいた。ガラガラと一晩中鉄棒を引いて見回りする仕事である。なお、拍子木世話役もおりスムーズに回るよう世話したことと思われる。(次回に続く)


火消うちわ

執筆者 清水 助太郎氏

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