年末になり、年越しの際に町内各寺院から除夜の鐘の音を聞かれる方もいらっしゃると思います。除夜の鐘とは、「大晦日の夜、12時をはさんで各々の寺々で鐘をつくことで、またその音をさす。108の煩悩を除去し、新年を迎える意味をこめて、108回つきならす」ことといわれています。この梵鐘について、今から63年前の昭和17(1942年)年に「金属回収」として、町内各寺院から供出されるということがありました。
「金属回収」とは、昭和6年(1931年)におきた満州事変後、資源小国であるわが国では、資源の確保が困難になってゆくことが予想され、国内資源の節約と積極的な再利用策を図ることが検討・実施されました。これが民間金属特別回収(いわゆる「金物供出」)です。最初は、廃品回収が主でしたが、事業所や寺社(梵鐘や仏具、祭具等)、そして公共団体金属類、最後には見つかり次第何でも、と拡大していきました。
山形県の回収指導は、昭和16年(1941年)11月に指導が開始し、翌月に回収の事後措置を講じ、昭和17年10月から11月にかけて、寺院の梵鐘(釣鐘)や神社の金属類の回収が行われました(鉄製のものは省略します)。
このように、町内の全寺院の梵鐘は、昭和17年10月から11月にかけて供出したようです。町内寺院の梵鐘供出の一覧表は次のとおりです(昭和17年度 金属回収山形事務所作成「供出梵鐘名簿」を基本としたが、亀井田地区の記述がなく、不詳)。
横山の浄栄寺では、昭和17年11月17日に、檀家の人々が多数集まって、住職が読経した後で、「梵鐘を送るの辞」を述べ、参列者一同が焼香礼拝し、壮行供養を行ったといわれています(写真参照)。なお、供出された梵鐘は、1口も戻りませんでした。
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