共同親権・法定養育費・親子交流などに関する民法等の一部改正法について
更新日:2026年2月3日

令和6年(2024年)5月17日に、父母が離婚した後もこどもの利益を確保するため、民法等の一部を改正する法律が成立しました。
この法律は、こどもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、監護、養育費、親子交流などに関する規定が見直され、令和8年(2026年)4月1日に施行されます。主な改正内容は以下の通りです。
法務省 「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)」について
民法改正の主なポイント
1.「親の責務」に関するルールの明確化
親権や婚姻関係の有無に関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確になりました。
こどもの人格の尊重
父母は、こどもの心身の健全な発達を図るため、こどもを養育する責務を負います。
こどもの利益のため、こどもの意見に耳を傾け、人格を尊重しなければなりません。
こどもの扶養
父母には、親権や婚姻関係の有無に関係なく、こどもを「養う」責任があります。
こどもが親と同程度の生活を維持することができるようなものでなければなりません。
父母間の人権尊重・協力義務
こどもの利益のために、お互いを尊重して協力し合うことが大切です。下記のような行為は、このルールに違反する場合があります。(※1)
・父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷
・別居している親が、同居してこどもの世話をしている親の日常的な養育に不当に干渉すること。
・父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもの住む場所を変えること。(※2)
・裁判所などで決まった親子交流を、特段の理由なく拒否すること。
※1 違反した場合、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮されることがあります。
※2 ただし、身体的、精神的DVや虐待から逃げるなど、正当な理由がある場合は、このルールに違反しません。
2.親権・監護に関するルールの見直し
離婚後の親権者
これまで父母の離婚後は、父母のどちらか一方のみを親権者と定めなければなりませんでした。
今回の法改正により、離婚後の親権者の選択肢が広がり、2つの方法から選択できるようになりました。
単独親権:父母のどちらか一方だけが親権を持つ(従来どおり)
共同親権:父母の両方が親権を持つ
共同親権について
食事や着る服を決めること、短期間の旅行、予防接種や習い事など日常の行為に当たるものは、父母のどちらか1人(単独行使)で決めることができます。
こどもの転居や進路に影響する進学先の決定、心身に重大な影響を与える治療やこどもの財産の管理など重要なことは父母で話し合って決めます。なお、父母の意見が対立するときは、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められれるようにする裁判を受けることもできます。
※暴力や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらか1人で決めることができます。
3.養育費の支払い確保に向けた見直し
こどもの健やかな成長を支える養育費をしっかり受取ることができるように、新たな制度の創設やルールの見直しが行われます。
取り決めの実効性アップ
文書で養育費に取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文章をもって一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。
※施行後に発生するものが対象です。
「法定養育費」の導入
離婚時に養育費の取り決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親がもう一方の親に対し、こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。
離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。
※法定養育費は父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。
※施行後に離婚した場合が対象です。
裁判手続きがスムーズに
養育費に関する裁判の手続きをスムーズに進めるために、家庭裁判所は親に対して収入や財産の状況に関する情報を開示するように命令できることとしています。
また、養育費などに関する債権について、債権者が財産を開示しない場合に、裁判所が市町村などに対し、債権者の給与などの情報提供を命じる特例が設けられました。これにより、地方裁判所に対する1回の申立てで財産・給与情報の開示と差し押さえ手続きがより連携して進められ、養育費を早く、確実に受取れるようになります。
4.安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
新しい法律では、親子交流が「こどもの幸せ」のために安全に行われるよう、ルールが見直されました。
親子交流の試験的実施
家庭裁判所はこどもの利益を最優先に考え、こどもの心身の状況に照らして相当であるか、調査の必要性があるかなどを検討し、実施を促します。家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。
婚姻中別居時の親子交流
父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決まります。
協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等で決めることが明確にされました。
父母以外の親族とこどもの交流
こどもと祖父母などとの間に親子のような親しい関係があり、こどもの利益のために特に必要がある場合は、家庭裁判所はこどもが父母以外の親族との交流を行えるようにできます。
リーフレット(法務省)「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」(PDF:1,704KB)
リーフレット(こども家庭庁)「こどもの未来のための新しいルール(親権・養育費・親子交流などに関する民法改正のポイント)」(PDF:2,804KB)
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保健福祉課 福祉グループ 児童福祉担当
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