おおいしだものがたり 第百五話 「最上川舟運の話」 その19.破船の発生と事故処理2
更新日:2016年3月25日
第3段階.事故現場に代官所の担当役人が急行する。
近隣の村々から救援隊が駆けつけ、直ちに救援活動を行う。
同時に事故報告書を作成し、代官所に提出する。
(1)駒込村役人は、名主を先頭に、人足を召し連れ、現場に急行する。
- 村の農作業用の小船を用いて、濡れ米を陸揚げする。
- 被害米 皆濡れ米(232俵)、半濡れ米(28俵)、流失米(なし)
(2)尾花沢代官所(駒込村を管轄)と寒河江代官所(送り先河岸を管轄)から、それぞれの手代を派遣し、事故の現場見分が行われ、以下のことを確認する。
- 事故の実情、損害の実態をつぶさに調べる。
- 船頭や駒込村名主の報告の通り間違いないこと。
- 私欲にからんだ故意の事故でなかったこと。
(3)立会人連名のもとに作成された事故内容の報告書を両代官所へ届ける。
報告書に連名した人
- 事故を起こした船の船頭(清太郎)と水主3人
- 酒井左衛門尉領分羽州飽海郡酒田、拾艘屋内(船団)差配人と九人の船頭
- 鈴木喜左衛門尾花沢代官所、羽州村山郡駒込村の村方三役(名主九之助外)
- 大岡久之丞寒河江代官所、羽州村山郡寒河江附郡中総代楯北村名主太右衛門
- 現場に派遣された両代官所の手代
第4段階.事故米(濡れ米)競売処分の広告とその応募者の募集
(1)競売に応募した村々
- 海谷村(名主庄四郎・組頭与十郎・百姓代七蔵)
- 川前村(名主孫兵衛・組頭作助・百姓代傳四郎)
- 深堀村(名主仁右衛門・組頭喜右衛門・百姓代長三郎)
- 大浦村(名主卯蔵・組頭弥兵衛・百姓代傳兵衛)
- 駒込村(名主九之助・組頭半四郎・百姓代仁右衛門)
(2)再競売の結果の落札価格
- 半濡れ
米払下分 28俵
金 3両
永 62文5分(1俵銭700文) - 皆濡れ
米払下分 232俵
金 19両三分
永 187文5分(1俵銭550文) - 合計
金 23両
(3)落成した村
駒込村
(4)落札米代金の支払先
23両の3分の2(金15両1分余)松山藩左沢の出荷した村々へ
23両の3分の1(金7両2分余)は輸送請負船方へ
そして、最後に荷主である酒井松山藩主に対する弁償問題へと移っていく。
川前村下の瀬
執筆者 小山 義雄氏
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